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中小企業における差別化戦略/押さえるべき3つのポイント(差別化戦略・独自ポジショニング)

 

経営資源の乏しい中小企業は単に商品を販売しているだけでは、売上げを増やすことは困難です。しっかりとした経営戦略を立案して効率的な事業活動を行わなくては、厳しさを増す現在の社会で中小企業が生き残ることは難しくなるでしょう。

 

 

中小企業がとるべき差別化戦略とは?(差別化/経営理念/ナンバーワン)

 

インターネットで情報が簡単に手に入り流通網が整備された状況では、市場シェア1位の企業だけが一人勝ちするようになりました。誰もが一番売れている商品を欲しがりそれ以外の商品には見向きもしないので、市場シェア2位以下の企業は残り少ないシェアを奪い合うことになります。企業を存続させるためには、中小企業であってもニッチな領域を探し出し、自分たちが最も得意とする市場でシェア1位を目指すべく、効果的な企業戦略を用いる必要があるのです。

 

ただし、経営戦略を作成する時は、他社が実行して効果があった戦略を真似しても意味がないことに注意しましょう。経営戦略を考える時は実効性ばかりを気にして経営理念のことを疎かにしがちですが、企業の価値観の根本となる経営理念を反映していない戦略では意味がありません。企業風土や製品の内容に合っていない経営戦略を行っても、顧客に強く訴求する力がないので、成功する確率が低くなってしまいます。経営戦略を作成する際は、事業を行っている理由であるミッションと事業によって実現するべきビジョンを含む経営理念に即したものである必要があります。経営理念を具体化するような経営戦略であれば顧客に強く訴えることができるので、売上げの増加が期待できます。

 

企業戦略にはいくつかの種類がありますが、中小企業は差別化戦略を用いることを検討するべきでしょう。差別化戦略とは同じカテゴリーに分類される他社製品と大きな違いを作り出し、顧客の支持を得る戦略のことです。同じ製品が並んでいた場合はどれを選べば良いのか分かりませんが、他の製品との違いが明確になっていれば、顧客が購入してくれる確率が高まります。

 

差別化戦略の分かりやすい例が、企業や製品をブランド化することです。所有する家畜を他者の家畜と区別するために焼印をしたことがブランドの始めとされるように、ブランディングは他社との違いを明確にするものです。ブランディングは資金の豊富な大企業が、一流デザイナーを使って立派なロゴを作ることだと考える人が多いようですが、中小企業こそ差別化するためにブランディングするべきです。中小企業でも、差別化戦略の一環として、企業や製品をブランド化は大変に有効な方法となるでしょう。

 

ただし、中小企業が差別化戦略を使う時は限りある経営資源を有効活用するために、ターゲットとする市場と顧客をしっかりと絞る必要があるでしょう。ターゲットを絞り切れずに経営資源を分散してしまうと、豊富な経営資源を有する大企業に勝つことはできません。具体的なターゲットを設定してから、具体的な差別化戦略を作成することが大切です。

 

差別化戦略では自社の強みが最大限に発揮できる点を強調して、他社との違いを顧客に伝える必要があります。他社との大きな違いがあっても顧客に伝わり魅力ある特徴として評価されないのでは、効果的な差別化戦略とは言えません。差別化戦略は、顧客に他社にない自社のメリットを認めてもらうことが目的であることに注意して下さい。顧客にとって価値のある差別化としては、価格・品質・サービスの三つに分類することができます。

 

 

中小企業の差別化戦略 「価格」(プライシング)

 

同じ種類の製品の中で一番安い価格に設定すれば、大いに顧客にアピールすることができるでしょうが、ただ価格を下げるだけでは経営規模の大きな企業と対等に戦うことはできません。価格だけを頼りとしたのでは価格競争に陥って、体力のない中小企業は業績の悪化を招くことになります。

100円ショップや1000円カットのように、低価格設定でありながら、顧客満足度も高く運営する企業も収益を確保できるような、仕組みづくりを確立することが大切です。価格の差別化によっても、ブランド化しているお手本がたくさんあります。

価格による差別化を行う時はコストの内容を詳しく調査して、今までにない方法によるコスト削減をすることで、十分に利益が出る価格の差別化を行うべきです。

 

 

中小企業の差別化戦略 「品質」(クオリティフィードバック)

 

品質による差別化とは、特定のニーズに応えられるような製品を顧客に提供することです。他者の製品では顧客の要望を十分に満たすことはできないが、自社の製品であれば満足できるようにするのです。

顧客の要望を詳しくリサーチして、従来の製品にどのような不満があって、どんな製品を望んでいるのかを把握することが重要となります。顧客の要望をフィードバックした品質を備えた製品を販売して、他社との違いを明確にするブランドを立ち上げれば、極めて効果的な差別化戦略となるでしょう。

 

 

中小企業の差別化戦略 「サービス」(モノからコトへ/ソリューションシフト)

 

サービスによる差別化とは、製品の販売やサポートをするスタッフの対応を、企業や製品のイメージに相応しいものにすることです。素晴らしい製品であっても、対応するスタッフの態度が悪いのでは誰も購入する気分になれませんし、販売するもののイメージにそぐわないものではブランドの価値を下げてしまうことになります。顧客にサービスを提供するスタッフにはマニュアル化した共通の教育を行い、ブランドのイメージ通りのサービスが行われるようする必要があります。

スタッフの対応だけではなく、企業が運営するWEBページも、ブランドの方針に沿ったものでなくてはなりません。手軽にアクセスできるWEBページがブランドの方針を表現する独自のものでないと、顧客の信頼を得ることが難しくなります。製品だけはなく、顧客が接するものについては、他社と差別化できるようにしましょう。

 

ブランディングを含めた差別化戦略を成功させるために、価格・品質・サービスの3つについて十分に検討してください。

 

 

 

差別化戦略事例1:

独自の企画提案力で、海外展開を行う企業の「ブランド力」強化を図る

 

自社の強みを理解して他社との違いを積極的に前面に出すことで、世界中の企業に高い評価を受けて、海外展開を成功させた中小企業がたくさん存在します。海外の企業は企業の規模に関係なく製品の内容で取引の可否を判断しますので、ブランドを構築して他社にはない製品を販売するならば、国際的な取引を実現することも難しくないのです。

 

東京都中野区の株式会社コムセルは韓国人、米国人、香港人などの社員が世界各地の提携先とともにマーケティング戦略を提供する広告・ マーケティング会社です。

この会社の強みは、本社の人間がコアコンセプトとなるコピーやビジュアルを作成する一方で、ポスターの写真等に関しては現地の提携先のスタッフが、国民性や商慣行を考え、自由に調整できるというシステムにあります。これにより現地スタッフの参加意識を高め有効なフィードバックを受けることができ、海外での販売強化やブランド化を円滑に進めます。コムセルはこのサービスにより、サムソン、東芝、パナソニック大手企業から支持を得ており、今後は中小企業もブランド力の重要度が増していくことを考え、中小企業との取引も増やしていく方針を固めています。

 

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差別化戦略事例2:

製造業から「ラボラトリー・エンジニアリング」というサービス業へコア事業を転換

 

差別化戦略を徹底するためには、自社の本当の強味を活かすために、事業内容を変更することを恐れてはいけません。度々事業方針を変えることは慎むべきですが、長年培ってきた社内にある資産を中心に据え、事業方針を大胆に変更することも大切です。自社の強味と弱味をしっかりと把握して、強味が最大限に活用できるように、事業内容を転換させて成功させた中小企業も少なくありません。

 

東京都千代田区のオリエンタル技研工業株式会社は元々、化学や医薬、バイオテクノロジーなどの研究用設備や機器の製造・販売を行っていましたが、価格競争の激化を見据え、「ラボラトリー・エンジニアリング」「ラボ ラトリー・デザイン」という考え方の元、研究室や実験質の設計や提案のコンサルティング業務を中心に事業を転換させて成功を収めました。

この企業の強みは、長年培った製造メーカーとしてのノウハウと顧客となる研究者への理解力が注目されますが、自分たちの技術に固執せず、海外などの有力メーカーとの提携を結び、最先端の技術を導入しているところにもあります。これにより顧客からのニーズに応え、東京農工大学など多くの研究施設から支持を得ています。

 

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このように自分たちの技術に固執せず、新しいことに取り組むための経営資源が不足している場合は、社外の力を利用することも考えることはとても重要です。

 

最近は様々なサービスを提供する業者が増えていますし、大学や国・地方自治体も中小企業との共同事業や支援などに前向きな姿勢を見せています。中小企業でも、短期間で事業転換することは不可能ではありません。一度自社のことを詳細に調査して、どうすれば強味を活かして他社との差別化ができるのかを考えてみることも必要です。

 

差別化戦略としてブランディングを行うことで、中小企業でも安定した事業運営が可能となります。少しでも早くブランディングを含む差別化戦略を実行して、厳しい時代を乗り越えられる企業へとなりましょう。

 

 


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